メールマガジンアーカイブ(2024年6月)

※本記事は,2024年6月に,顧問先様へ配信したメールマガジンのアーカイブです。

皆様

万和法律事務所の弁護士福本・中島・竹田です。

今回のメールマガジンでは、いわゆるステルスマーケティングに関するニュースについてご紹介します。

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患者に割引と引き換えにグーグルマップでの星の投稿を依頼したとして、消費者庁は7日、景品表示法違反(不当表示)で、医療法人社団「祐真会」(東京都)に再発防止などを求める措置命令を出したと発表した。投稿が、口コミを装い商品やサービスを宣伝するステルスマーケティング(ステマ)に該当すると判断した。

ステマに対する規制は昨年10月から始まり、今回が初の処分。命令は6日付。

 同庁によると、法人は昨年10月の15日間、運営する都内の「マチノマ大森内科クリニック」をインフルエンザワクチン接種のため訪れた患者に、おおむね550円の割引を対価にグーグルマップへの星5か4の投稿を求めた。

 この間に269件の投稿があり、ほとんどが星5だった。投稿の頻度はその他の期間の約35倍で、同庁の試算では平均1.3だった星が3.2に上がった。

 同庁はこのうち、星5の投稿45件をステマと認定。法人に表示の取りやめや再発防止などを求めた。同庁は「事業者がステマをしないのは当然だが、一般の人もステマの提案を受けず、情報提供してほしい」としている。

(令和6年6月7日 時事通信より引用)

———————————-引用ここまで————————————

いわゆるステルスマーケティングとは、事業者が広告であることを隠して、商品やサービスを宣伝したり、商品に関するクチコミを発信したりする行為です。

このステルスマーケティングに対し、一般消費者が、商品を自主的かつ合理的に選択できるようにすることを目的として、不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)に基づく規制が、日本では、令和5年10月からスタートしています。

今回、このステルスマーケティング規制に基づいて、初めての行政処分が下されました。

本件では、病院が、インフルエンザワクチン接種のため訪れた患者に、おおむね550円の割引を対価にグーグルマップへの星5か4の投稿を求めたというものです。

近年、グーグルマップの口コミは、強力な宣伝媒体として注目を浴びており、店舗側が口コミを依頼する事例も散見されます。

それ自体には何も違法性はありませんが、口コミの対価(商品を渡したり、割引をするなど)を渡してしまうと、違法であると認定されてしまうおそれがあります。

企業の広告・宣伝方法について、少しでも疑問がございましたら、遠慮なくご相談いただけますと幸いです。

(文責:弁護士 中島  裕一)

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