メールマガジンアーカイブ(2023年5月)
※本記事は,2023年5月に,顧問先様へ配信したメールマガジンのアーカイブです。
皆様
万和法律事務所の弁護士福本・中島・竹田です。
今回のメールマガジンでは、昨今話題となっているサラダ類へのカエルの混入についてのニュースについてご紹介します。
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スーパーやうどん店で販売されたサラダ類に「カエル」が混入するケースが相次いでいる。水辺に近い場所で生息するカエルがなぜ入り込んだのか。間違って食べてしまうと危険なのか。関係者や専門家に取材した。
「サラダにカエルが混入していた」。5月11日、長野県上田市の「イトーヨーカドーアリオ上田店」で「緑黄色野菜がとれるパリパリ麺のサラダ」を購入した客から申し出があったのが発端だ。
16日に公表した製造元の「デイリーはやしや」(長野県松本市)によると、混入したのは体長2~4センチのニホンアマガエルだった。
詳しい経緯は松本市保健所(同)が調査中だが、同社は「レタスまたは他の野菜に混入し、機械による洗浄や目視による異物除去などの工程で取り除けなかった」とみている。異物除去工程の作業者を1人から3人に増やすなど対応を強化した。
うどんチェーン「丸亀製麺」諫早店(長崎県諫早市)でも、21日に提供した「ピリ辛担々サラダうどん」にカエルが混入していた。この商品は持ち帰り用の「丸亀シェイクうどん」として同社が16日に発売し、人気が出始めたばかりだった。
同社は野菜加工工場で混入したとみて、生野菜を扱う取引先の全工場で立ち入り検査を実施。検品体制を強化した上、生野菜を使う一部商品の販売を25日まで休止している。
なぜ、カエルの混入が立て続けに起きたのか。120種類以上のカエルを飼育展示する「体感型カエル館KawaZoo(カワズー)」(静岡県河津町)の飼育員、西大星さんによると、エサとなる小さな虫が増えてくる5~6月はカエルの繁殖期。1年で最もカエルが活発に動き回る時期だという。
また、カエルは夜間に街灯に集まるガなどの虫も食べる。西さんは「工場の窓明かりに引き寄せられ、何らかのきっかけで工場内に入ってしまった可能性もある」と推測する。
危険性はないのか。ニホンアマガエルを触った手で人が粘膜に触れると、肌荒れやかぶれを引き起こすなどの毒性がある。西さんは「生で食べてしまうと体調不良になる恐れもある」と話す。
北関東のあるレタス生産者によると、夜の外気温が下がる時期には、カエルなどの虫が暖を求めてレタスの葉の中に入るため、混入しやすくなるという。小さなヘビが収穫したレタスの葉の中に入っていたこともあった。
この生産者は目視でわかる範囲の混入に気を配ると同時に、出荷シーズンになると、あらかじめ「虫の混入には気をつけて」と出荷先に呼びかけているという。【寺田剛】
(令和5年5月25日 毎日新聞)
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食品衛生法第26条2項によると、厚生労働大臣は、食品衛生上の危害の発生を防止するため必要があると認めるときは、食品の製造業者、加工業者、または輸入業者に対し、検査を受けるべきことを命ずることができます。そして、同3項より、この命令を受けた者は、当該検査を受け、その結果についての通知を受けた後でなければ、当該商品の販売、陳列、または営業上使用してはならないこととなります。
このように、異物混入があった場合には、検査命令が発令される場合があり、検査結果が出るまでの間、商品の販売ができなくなるという不利益が課せられます。
上記のような検査命令の発令を避けるには、もちろん異物混入が発生しないことが重要ですが、異物混入が発生してしまったとしても、立ち入り検査が必要と判断されないよう、早期に原因を特定して対策を立てられるような管理体制を整備しておくことも重要となります。
また、OEM等により商品の製造を外注する場合には、外注を依頼する事業者としては、異物混入等のトラブルが生じた際に、外注先の工場等への立ち入り検査の実施をできるようにしておく必要があります。逆に、OEM等の外注を受ける事業者としては、立ち入り検査の際のルールをある程度詳細に定める必要があります。
そのため、上記事項を契約書に落とし込んで、予め規定しておくことが肝要となります。
今回ご紹介したような異物混入は一例ですが、製造物、とりわけ食品や衛生用品、薬品にまつわるトラブルについては、いわゆる行政法分野が関わってくる場合、専門的な知見に基づくアドバイスが不可欠です。ご不安を感じられた際には、遠慮なくご相談いただけますと幸いです。
(文責:弁護士 竹田 仁)
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