メールマガジンアーカイブ(2023年10月)
※本記事は,2023年10月に,顧問先様へ配信したメールマガジンのアーカイブです。
皆様
万和法律事務所の弁護士福本・中島・竹田です。
今回のメールマガジンでは、育休に関する補助金のニュースについてご紹介します。
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政府は、育児休業取得者や時短勤務者の業務を代替する従業員らに手当を支給する中小企業対象の補助金を拡充する方針を固めた。育休取得者1人あたり最大125万円を補助する方向で、経済対策に盛り込む予定だ。今年度中にも開始する予定で、育休を取得しやすい職場作りにつなげる狙いがある。
現在も働きながら子育てや介護ができる職場環境を整える事業主を支援する「両立支援等助成金」があり、新たに「育休中等業務代替支援コース(仮称)」を設ける方向で調整している。
育休期間中の場合、体制の整備費用として2万~5万円を補助するほか、企業が代替要員に支払う手当額の4分の3を、月10万円を上限に12か月まで補助する仕組みを想定している。厚生労働省が両立支援に力を入れていると認定している事業所には、補助額を割り増すことも検討する。
従来は育休取得者が3か月以上休んだ場合に限って、最大で20万円を補助していた。新たなコースでは、育休期間が1か月未満でも補助が可能になる。育児中の時短勤務者の業務を代替する社員らへの手当も設け、時短勤務者の子どもが3歳になるまで、最大110万円を補助する方針だ。
大企業と比べて、従業員数が少ない中小企業では、育休を取得すると人手不足になり、他の社員の負担が重くなるという指摘が出ていた。
(令和5年10月25日 読売新聞オンラインより引用)
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育児休業は,令和2年6月1日から施行された「育児休業,介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」によって規定されることになりました。そして,同法により,事業主は,労働者から育児休業の申出を拒めないこととなりました。また,育児休業は,労働基準法上,「休暇」に該当すると考えられていることから,育児休業をさせる場合には,就業規則の絶対的必要記載事項として,必ず定めを置かなければならないこととされています。具体的には,就業規則には,育児休業の①付与要件,②取得に必要な手続,③期間,④育児休業期間中の賃金の有無,⑤賃金が通常と異なる場合には,その計算方法,締日,及び支払方法等を定める必要があるとされています。
以上のように,令和2年6月1日から育児休業が拒めないものとなったことから,就業規則での定めが必須となりました。自社の就業規則について,令和2年6月以降に就業規則の改正を行っていない場合は,育児休業の規定が無いままになっている可能性があるため,注意が必要です。
弊所では,就業規則の改正のご相談についても承っておりますので,もし自社の就業規則に育児休業の定めが無い場合や,育児休業の定めが不完全と感じられた場合には,遠慮なくご相談いただけますと幸いです。
(文責:弁護士 竹田 仁)
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